元新聞記者がこっそり教えます——マスコミを味方につける危機管理広報

元新聞記者がこっそり教えます——マスコミを味方につける危機管理広報
著者黒川昭良
発売2026年1月13日
単行本192ページ
ISBN978-4-911287-05-7
定価1,650円(税込)

企業の危機対応を小説で疑似体験し、
“報道側の視点”から危機管理広報のポイントを学べる一冊

危機対応を誤れば、会社は一瞬で傾く——。これは決して大げさな話ではありません。その渦中で企業の命運を分けるのが危機管理広報です。
世の中には多くの危機管理本がありますが、「報道する側」が手の内をここまで明かした本はありません。
マスコミが何を見て、どこに疑念を抱き、どんな対応に心を動かされるのか。本書は、そのリアルな視点をありのままに伝えます。

第一部では、架空の食品会社の産地偽装事件を題材に、危機対応の迷走と葛藤を小説形式で描きます。
読者は広報担当者や経営陣の息づかいを肌で感じながら、「もし自分の会社だったら」という〝擬似体験〞を味わうことができます。

第二部では、その体験を踏まえて著者が導き出した「危機管理広報・五箇条の心得」を分かりやすく解説します。
▽危機への備え▽組織の結束▽初動の重要性▽誠実な謝罪▽マスコミとの信頼関係——の5つです。
物語と五箇条の心得を行き来するうちに、危機管理広報のコツが自然と身につきます。
経営者、広報担当者、そして組織のリーダー必読の一冊です。

目次

はじめに

★第一部 物語で体験する危機管理

◎第一章 不祥事は起こり、発覚する

  • 1 記者が突然現れる
      解説1 記者の突然の訪問。その意味は?
  • 2 記者の直感
      解説2 不祥事はどこから漏れるのか
  • 3 もみ消し工作が始まる
  • 4 広報に指令が下る
  • 5 新聞社を懐柔
      解説3 内外の圧力と編集権の独立
  • 6 再取材
      解説4 不祥事の記事はこのように書かれる
  • 7 なぞの男
      解説5 1面トップの特ダネはこうして生まれる
  • 8 ついに悪事が露見する

◎第二章 その記者会見、会社潰しますよ

  • 9 メディアスクラム
      解説6 締め切り時間の呪縛
  • 10 失敗会見
      解説7 トップを出せ
  • 11 ぼろぼろの社長会見
      解説8 ミスの多重事故
  • 12 かたくなな姿勢
      解説9 「危機の繭状態」
  • 13 崩壊

◎第三章 再建の道

  • 14 長池の涙
  • 15 鹿児島へ
  • 16 再生へ
      解説10 「取材する側」と「取材される側」
  • 17 改革チームの誕生
      解説11 危機管理は「初動こそ命」
  • 18 五箇条の心得
      解説12 メディアトレーニングを怠るなかれ
  • 19 一通の脅迫状
      解説13 記者会見の劇場化

エピローグ

★第二部  危機管理広報 五箇条の心得

◎第一条 危機は必ず訪れるものと覚悟し、平時から備えを怠ってはならない

  • 第一項 今や内部告発の時代である
  • 第二項 「前兆」を見逃すな
  • 第三項 最悪を想定せよ

◎第二条 トップ・幹部・若手が三位一体となり、力を合わせて危機を乗り越えよ

  • 第一項 トップのリスク感性と「三つの〝定〟」
  • 第二項 トップを補佐する参謀
  • 第三項 危機の「前兆」をキャッチする第一線の役割

◎第三条 初動の24時間が結果を大きく左右することを忘れるな

  • 第一項 スクープの後の記者会見は修羅場である
  • 第二項 初期の対応が報道のトーンを左右する
  • 第三項 記者会見の要否は危機発生から3時間以内に即断せよ

◎第四条 誠心誠意の謝罪をもって世論を治めよ

  • 第一項 逃げない 言い訳をしない
  • 第二項 謝罪の態度にも気を配るべし
  • 第三項 感情的になるなかれ

◎第五条 マスコミとは緊張感ある信頼関係を築くべし

  • 第一項 報道されない限り、事実は存在しない
  • 第二項 握手の距離を保て
  • 第三項 そうだ、記者クラブに行こう

★巻末特講 緊急時に役立つ!プレスリリースの書き方

  • その一 第一報は速やかに
  • その二 記事が書ける内容を盛り込む
  • その三 分かりやすく書く 簡潔に書く

おわりに

黒川昭良(くろかわ・あきら)
1956年川崎市生まれ。
京都大学法学部卒業後、毎日新聞社入社。大阪府警キャップ、社会部デスク、社会部長、編集局次長を経て、出版局長、毎日新聞出版社長を歴任。
現在は朝日、毎日、読売各新聞社OBでつくるライター集団・編集工房「朝毎讀」主筆。
記者時代は主に社会部畑を歩み、雪印食品牛肉偽装事件をはじめとする数々の企業犯罪や不祥事を取材した。
退社後は現場で培った経験知を生かして、(株)共同通信社主催のセミナーや企業、大学でリスクマネジメントの研修講師・アドバイザーを務め、激動の時代に立ち向かうための危機対応の秘訣を実践的に指導している。
朝日カルチャーセンターでは、「想いを綴るエッセー教室」の講師も務める。
著書に『山本周五郎の記憶〜横浜の光と影を愛した文豪』(共著、歴史探訪社)ほか。